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よく樹脂成形の金型が高額で驚かれます。
自分もその一人でした。
特にオリジナル商品を持ちたい雑貨やさんは多いのではないでしょうか?

製造のご依頼をいただく方にはプラスチック製品の製造過程を知らない方も多いのではないかと、
専門用語はできるだけ使わないように説明すると、というかHP担当者もまだ難しい専門用語はわかりませんが・・

一言でいうと、金型内の構造が複雑です。
プラスチック製品だけを見ているのとは想像以上に金型には多くの仕組みがされています。

プラスチックの成形金型は
溶かした熱い樹脂を金型へ送り流し、それを固めるために型内で冷やします。
金型内に水を流して冷却します。空気や油での冷却もあるようです。
冷却することにより、金型にかかる負担も増すのでしっかりした作りが要求されます。

また、プラスチックの体積変化も計算するため図面上では出ない緻密な調整が必要です。

一旦出来上がった金型は実際に成形してみて、試作し、修正を繰り返します。

射出成形金型には冷却水が流れるフロー(道)も計算されています。
ただ単に金型を冷やすだけの単純構造だと、場所によっては樹脂が隅まで行き届く前に固まってしまう為、
成形不良(ショート)となります。
なので、水の道筋も計算が必要となります。

冷却というよりも金型内の温度を一定に保つ温度調整が必要です。

その他にも、電気で金型を温めプラスチックが固まらないような仕組みや、
製品を取り出すための仕様でスライドさせたりと、製品によって複雑な構造となり、
高額になってしまうのです。

簡易で安価な金型も出来るのですが、どうしても量産には耐え切れない作りになってしまいます。